教育コーチング

山口景子さんに聞く「子どもたちってすごいんですよ」

山口さんは、家庭では3人のお子さんの母親であり、保育園では保育士として活躍中。
また、心理学の勉強はライフワークになっているようで、来年は現在在学中の大学で卒業論文に取りかかる予定と研究熱心である。

───── コーチングを知ったのはどんなところからだったのでしょうか?

今から15年くらい前、ある自治体主催の勉強会でコーチングという言葉を知りました。
その後も何度か触れる機会はあったものの、当時はあまりピンとこなかったんです(笑)。

───── では、改めてコーチングを学ぼうと思ったのは?

4年前に阿部侑生さんのコーチング講座に参加してからですね。でも、講座を聞く前までは正直、「コーチングなんて誰に聞いても同じでしょ」って思っていたんです(笑)。
その時の講座は聞くというより、受けるというか・・・ワークがたくさんあって体験するというか。とにかく、これはスゴいって、スッと私の心に入ってきたんですよ。それから本格的にコーチングを学んだり、使ったりし始めました。

───── コーチングを使い始めてどんなところが変化しましたか?

私の場合ですが、まず自分自身が変わりました(笑)。
具体的に言うと、モノの見方や考え方、それから、言葉がけや態度でしょうか。

───── 自分自身が変わるとどのようなことが起こりますか?

自分自身が何を考え、どのようなモノに興味関心があるのかがよりはっきりしました。考えていることを自分の頭の中で完結するのではなく、行動に移すことができるようになりましたね。
きっと頭の中が整理されて、自分がやりたいことや大切にしていることが明確になってきたからだと思います。

写真───── そう言えば、山口さんはコーチングを学び始めてから大学にも入学したのでしたね。

そうなんです。大学に改めて行こうと思ったのもコーチングの後押しがあったからです(笑)。
入学してからはあっという間でした。来春からは卒論に取りかかる予定で、来年の秋に提出なのですが、それが通れば卒業ですね。

───── 山口さんは保育士であり、3人のお子さんの母親でもありますが、職場や家庭でもコーチングを使っていたりするんですか?

そうですね、職場の保育園で子どもたちに接する時にコーチングスキルを使うことがよくあります。
保育園では子どもたちの年齢に応じた成長を促すために様々のことにチャレンジしてもらうのですが、例えば、手洗いやうがい、着替えやトイレトレーニング、制作やリズム遊びなどいろいろあるんですよ(笑)。ところが、子どもたちの成長は個々人によって違うので、その時にできる子どもたちとなかなかできない子どもたちが出てしまうんです。
その際に、なかなかできない子どもたちに向かって「なんでできないの?」「どうしてできないの?」とはなるべく言わないようにしています。その変わりに「どうやったらできるかな?」「どんなことだったらできると思う?」と問いかけるようにしています。

───── 子どもたちの反応はどうでしょうか?

「どうやったらできるかな?」という問いかけに、子どもたちは「どうやったらできるんだろう」と一生懸命考え、できるための答えを探し始めるんです。
特に年長児は脳をフル回転させて考えていますね(笑)。答えが出るまでやる、みたいなね。私が根負けしそうなくらいなんです(笑)。

───── 子どもたちはすごいですね

そうなんです(笑)。子どもたちってすごいんですよ、答えを探す好奇心が(笑)。
そんなすごい可能性を持った子どもたちが日々成長しようといろいろなことに挑戦しているのをサポートする中で、自立の芽を見逃さないよう心がけています。子どもたちの自立の芽を見つけたら、たくさん質問して、たくさん承認しています(笑)。

───── ご家庭ではいかがですか?

コーチングを学びだしてからは、息子に対する態度や言葉がけが変わったと思います。
例えば、息子と話をする時は、相槌やうなづくことを多くして共感しながら最後まで話を聞く姿勢をとるように心がけるようになりましたし、むやみにアドバイスをしなくなりましたね。

写真───── アドバイスをしないんですか?

そうですね、アドバイスにはどうしても答えや評価、価値観の押しつけが含まれがちになります。
答えは私が息子に教えるものではなく、彼自身が気づくものだと思うのです。自分の中から導き出した答えは自分で決めたことになりますから自然と行動が変わってきますよね。
ですからアドバイスは極力しないようにしています。

───── 今年の春、お子さんが東北大学に入学したとお聞きしましたが。

お陰様で無事入学することができました(笑)。
入学したのは2番目の息子なのですが、私がコーチングを本格的に学び始めた時にはまだ中学3年生だったんですよ(笑)。
その頃からわが子に対してコーチングを取り入れた対話を試みるようになりました。
当時は私もコーチングを始めたばかりだったので、コーチングを取り入れることによってどのような変化が息子と私に起こるのか確かめたかったというか(笑)。
ちょうど高校受験が控えていて、中学校の担任の先生からは「この成績では志望校へは行けません」ときっぱり言われたのを覚えています(笑)。

───── コーチングの対話を使うことでどんな変化がありましたか?

息子との会話が増えました(笑)。
それまでも会話は多い方だったと思いますが、さらに普段の出来事や考えていることを私に話してくれるようになりました。否定せずに息子の話を聞いているからでしょうか、相談ごとも増えました。
高校も無事志望校に入学することが出来たのですが、高校に入るとクラブ活動や学業の面では、自ら積極的に進んで行動を起こすようになりましたね。
会話を重ねることで自分がやること、やりたいことが整理出来ていたんじゃないのでしょうか。
息子の場合、クラブ活動の成績と学業は比例していましたよ(笑)。

───── 山口さんは、息子さんとの対話の中でどんなことを大切にしていたのですか?

信じることですね。 私の息子は必ず目標を達成できる力を持っている子だって信じる。
そして、答えは私ではなく息子自身が持っていると信じ、私の価値観は押しつけずに息子に任せることです。

───── 今後の山口さんはどのような活動をされて行くのでしょうか?

私と同じように日々家事や育児、仕事をこなしているお母さんや、お子さんの進学を控えているお母さんに、自分の経験や想いを伝えていきたいと考えています。
私は、コーチングを学ぶ中で自分自身の人生を掘り下げてみるということをしたのですが、自分自身に目を向けることによって息子への見方や周りに対する付き合い方に変化が起きました。コミュニケーションの根源は、他人というよりまず自分自身との付き合い方にあるのかもしれませんね。
「自分自身とどう向き合うか」そんなことを伝えていく活動を、コーチングや心理学のスキルを活かしながらコミュニケーションを通してやって行きたいと思っています。
それと同時に大学院進学という夢を叶えるため、勉強もがんばります!(笑)

顔写真山口景子(やまぐちけいこ)
非常勤保育士として勤務しながら放送大学に在学中。専攻は「心理と教育」。
様々な角度から子どもに関わり続けて27年、関わってきた親子は500組を超える。
2010年4月、コーチング研修会社ドリームフィールド認定コーチ資格取得。

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