コーチが存在する理由は?

たとえば、スポーツ選手の多くにはコーチがいます。その理由は、選手のパフォーマンスを最大化するためです。パフォーマンスとは、“技芸や表現”、あるいは、“機能や性能”、“能力”という意味ですから、コーチングはスポーツ選手だけではなくて、「自分自身が持ち合わせているパフォーマンスを最大化したい」と望む人、願う人すべてが対象者になります。

コーチは何をする人?

「大切な人の潜在可能性を含めたパフォーマンスを最大化する人」をコーチといます。ですから、ご家庭ならお母さんやお父さん、学校なら先生、職場なら上司や経営者がコーチということができます。なぜなら、“大切な人”とは、ご家庭ならお子さん、学校なら児童や生徒、職場なら部下や同僚になるからです。

コーチングとは?

“大切な人の潜在可能性を含めたパフォーマンスを最大化する”ためのプロセスにかかわることコーチングといいます。その際に、コーチはコーチングスキルを使いながら、基本的には1対1の対話形式でかかわります。

対話とは?

対話とは、1対1の話し合いです。1on1ともいいます。コーチングの対話では、相手のアウトプット(話す)をとても大切にします。ですから、コーチはあまりしゃべりません。

ちなみに、インプットは、相手から教え込まれること、あるいは、相手に語られること。アウトプットは、自分が相手に教えること、あるいは、自分が相手に語ること。そのように捉えてみてください。

アウトプットでなにが起こる?

わたしたちは、自分自身の内側に起きていることを言葉にすることで、ものごとを整理したり、考えたり、行動につなげたりしています。そう聞くと、「えっ、そうなの?」と思うかもしれませんが、そう思うくらいに、普段、わたしたちは、自分自身の内側に起きていることを意識していないものなのです。

ですから、そのことについて、対話のなかでコーチは省察を繰り返します。省察とは、自分が体験して話したことについて、さらに詳しく振り返ってみることをいいます。コーチングの対話では、この体験と省察を繰り返します。

このようにコーチングの対話では、自分自身の内側に起きていることを丁寧に言葉にしていきますが、その際には、思いもよらない自分自身に出会うことがあります。思いもよらない自分自身とは、今までにない新たな自分自身と言ってもいいかもしれません。新たな自分自身とは、これまでの自分自身とは違う自分自身のことですから、以前とは違う、変化した自分自身ということができます。

以前とは違う、思いもよらない新たな自分自身に出会うことは、驚きや喜びがある一方で、変わることへの不安や怖れを感じて、行動が止まることがあります。そのような時に、コーチは対話のなかで、大切な人を励まし、勇気づけるのです。コーチングは励ますこと、勇気づけること、といわれる所以はこのようなところにあるのかもしれません。

コーチングは、行動変容を目的としていますが、1対1の対話のなかで、思いもよらない自分自身の変化に出会うことがあるのです。変化とは、成長ということができますから、コーチングには、大切な人の成長を促す機能があるということができます。このことは、たとえば、教育や医療、看護や介護とコーチングの相性が良いことが証明しています。

変化の機能装置であるコーチングもまた変わり続けています。時代の変化と共に、コーチングは、教える、与える、アドバイスする、引き出すから、アウトプットを中心に、描く、創造する、構成する、というようなコーチング3.0へと進化しています。

スキルよりも大切なこと

コーチングスキルを適切に運用するため、ドリームフィールドでは、在り方と前提をコーチングスキル以上に大切にしています。なぜならこれらは、コーチングスキルを適切に運用するための両輪だからです。

たとえば、コーチは馬車という意味ですが、馬車の車両は両輪がうまく機能することで、馬車を前に進めることが可能になります。同じように、コーチングを前に進めるためには、在り方と前提の両輪が機能することで、はじめてコーチングスキルを有効に使うことが可能になります。この両輪がしっかりと機能することは、わたくしたちドリームフィールドが目指すコーチングのかたちなのです。なぜなら、この両輪は、コーチングだけでなく、あらゆるコミュニケーションの基礎だからです。

さあ、コーチングを始めましょう。